■7月1日 ヒメシャラ(姫沙羅)
富士山麓や伊豆の山々の箱根、そして九州や屋久島が自生地です。朝夕に霧の発生するような環境を好み、生長は早くありませんが、ゆっくりと大木に育ちます。雑木類が庭や公園に植えられるようになり、ヒメシャラはナツツバキとともにもっとも人気のある樹種となりました。メンテナンスが少なくてすむのも魅力です。
■7月2日 アベリア
長い期間に渡って花を咲かせ続けるのがアベリアです。6月から初冬の霜が降りるころまで、小枝の先端に咲く花を楽しめます。さまざまな耐性を備えており、異常干ばつの夏にほかの街路樹がダメージを受ける中でも、アベリアだけは花数を減らしながらも健在です。排気ガスや病虫害にも強く、生命力を感じさせる樹木です。
■7月3日 アメリカデイコ
春から勢いよく伸びた2mほどの枝の先に、夏の強い日差しを浴びて、朱赤色に輝く大きな花をつけます。太く伸びる枝と、トロピカルな雰囲気の花が、深く印象に残る樹木です。庭に植えれば堀越しに花が目立ち、家のシンボルツリーになります。街路樹として植えられることもあり、南国のイメージを醸し出します。
■7月4日 キョウチクトウ(夾竹桃)
原産地はインドや中近東。日本には江戸時代中期には渡来していたといわれます。花期は長く、夏の間中楽しめます。潮風に強く、海岸線の防風垣に多く植えられるほか、排気ガスに強いことでも知られ、道路沿いの防音植栽にも効果があります。
■7月5日 カジノキ(梶の木)
七夕の日に、この葉をゆかりの多い詩歌にしたためて笹葉に結びつけ星神に献じるという風習がありました。このように日本の文化に、相当古い時代から関係していた植物です。コウゾやミツマタと同様に、若い枝の皮は紙の原料として利用され、上質の和紙になります。製紙以前には、繊維そのものを織物に利用してきた歴史もあります。
■7月6日 スグリ(酸塊)
ヨーロッパ原産でグーズベリーとも呼ばれます。品種改良されたものも多く、果樹としても人気があります。果実は6〜7月に収穫でき、生食のほか、ジャムや果実酒に利用されます。耐寒性に優れ、東北地方で多く栽培されます。夏の乾燥や強い西日を防げば、九州地方でも庭に植えて楽しめます。
■7月7日 マダケ(真竹)
タケの仲間は世界中で90属1,212種といわれ、日本国内ではササ類を含めて240種類とされます。その中でもっとも有用なのがマダケで、屈曲性、弾力性、剥離性、耐久性、加工性に優れ、建築内装、日用雑貨、楽器、茶華道具、農耕具などに用いられます。また、タケの皮は抗菌性や通気性、柔軟性に富み、包装材としても古くから利用されてきました。
■7月8日 ネムノキ(合歓木)
夜になると、眠るように小葉を閉じることで知られ、名前の由来にもなっています。元が白く、先端が淡紅色となる花糸のグラデーションは見事です。枝は太く枝数は少ない横に広がる樹形は、傘のような形になります。海外ではパラソルツリーとも呼ばれ、人気も極めて高く、庭や街路樹としてよく植えられています。
■7月9日 ノリウツギ(糊空木)
ノリノキという別名もあり、枝を水に浸して内皮から糊液をとり、和紙をとくための糊料に用いました。近年ヨーロッパでは、スタンダード仕立ての樹木が多く見られ、このノリウツギや、花が装飾花だけの園芸品種‘ミナヅキ’も用いられます。
■7月10日 モクゲンジ
7〜8月に黄色で4弁の花を総状花序に咲かせ、そのあとに袋果をつけます。袋果の中の実は黒く光沢があり、数珠やネックレス作りに用いられ、寺院に植えられます。また、炒って食べることもできます。葉はセンダンに似ていて、樹高は15m以上になるものもあります。
■7月11日 ブッドレア
花は小花が多数集まった穂状で、新しく伸びた枝先につきます。初夏から開花し、美しい花と芳香が長く楽しめます。花色は赤紫色が代表種で、ほかに暗赤紫色や藤色、ピンク、白などがあり多彩です。日照を好み、日陰では花つきが悪くなります。花殻が目立つので、早めに切り取ると、脇芽が伸びて再度美しい花が楽しめます。
■7月12日 カボス(香母酢)
大分県の特産といわれ、樹齢100〜200年の古木も多く見られます。果実はほぼ球形に近く、果頂部には直径2.5cmくらいの鮮明な凹環があります。緑色の状態で売られていますが、完熟すると黄色になります。栽培できる地域も温暖化とともに広がり、実用的に楽しめる庭木として人気になりそうです。
■7月13日 リョウブ(令法)
生長は中程度で、幹はあまり太くなりません。材は粘性が強く、農具の柄に使ったり、皮つきで床柱に使うこともあります。環境のよい場所のリョウブは茶褐色の幹が美しく、サルスベリのように鹿の子状にはげ落ちた模様が楽しめます。
■7月14日 ハイビスカス
江戸時代に日本に渡来しました。ハイビスカスは花の美しさを求めて改良され、直径20cm近いものや、花色も赤を基本に桃、白、黄色などがあります。樹高は3m以上になりますが、寒さに弱く、明るく南国的な雰囲気は鉢物として楽しめます。
■7月15日 ノウゼンカズラ
中国中南部原産で、日本へは平安時代に渡来。つるを絡めたり、吸着根によって、壁やフェンス、ほかの樹木などに這い上がります。枝を長く伸ばし、その先端に漏斗形の大きな花を次々につけます。連日咲き続ける橙赤色の大きな花には、つる植物のたくましさをも感じられます。
■7月16日 スダチ(酢橘)
果実はほぼ球形で子果。果汁は遊離アミノ酸を多く含み、クエン酸や糖分と混じって、料理に独特の風味をつけます。7〜8月ごろから緑色の果実が利用できます。樹勢が強く、柑橘類の中でも比較的寒さに強く、広い範囲で栽培されています。生育の最低温度による制約はありますが、実用的な庭木として植えてみたい樹です。
■7月17日 トケイソウ(時計草)
本種はなんといっても面白い花が魅力です。文字盤の上に三本の針があり、まさに時計そのもの。ブラジルの原産で、関東周辺では冬の寒さで落葉することもあり、細い枝の部分は枯れこみます。その後、春になると太く充実した部分から新芽が勢いよく伸びだして花をつけます。
■7月18日 ナツグミ(夏茱萸)
花はあまり目立ちませんが、4〜5月に垂れ下がって咲きます。その後、5〜6月に実が熟し、食べられます。樹高は3〜5mになり開張性。若枝は赤褐色で鱗片があり、葉は互生します。誕生の記念に庭に植えておけば、小さな頃に食べた思い出も残るでしょう。
■7月19日 ナツツバキ(夏椿)
仏家では三大霊樹の一つとされ、沙羅双樹(フタバガキ科のサラノキ)の代わりに、シャラノキの別名があるナツツバキが、寺院などで植えられるようになりました。名前の通り、夏に咲くツバキに似た白い花が楽しめます。
■7月20日 スモモ(李)
原産地は中国ですが、英名ではジャパニーズ・プラムと呼ばれ、日本で古くから親しまれている果樹でもあります。スモモは自家受粉しにくく、複数の株を一緒に植えたり、別の品種を混植すると実がよくつきます。樹勢が強いので、枝抜きをして全体に光が入るようにしましょう。
■7月21日 スイフヨウ(酔芙蓉)
多くの花は、蕾のうちは色が濃く、咲き始めてから順に薄い色に変化していきます。それとは別に、咲き始めてから一日のうち花色が変化する花もあり、その代表がこのスイフヨウです。朝に白花として咲き始め、昼すぎにはピンクがかり、夕方には赤くなって夜を迎え、翌朝には次の花が白く咲き始めます。
■7月22日 クワ(桑)
クワの果実は6〜7月にかけて緑色から赤色になり、黒紫色に熟します。クワの樹皮は和紙の原料にした歴史もあり、黄色く光沢のある材は建築材や器具、家具、茶道具などにも用いられました。桑畑では葉を収穫するため低く仕立てられていますが、条件のよい場所では7m以上にも育ちます。
■7月23日 タラヨウ(多羅葉)
葉の裏に、楊枝の先などを使って文字を書くと、しばらくして文字が黒く浮き出てきて、そのまま残ります。宛名を書き、切手を貼れば、郵便として出せるほどです。タラヨウは雌雄異株で、雌木につく赤い実も魅力。秋から冬にかけて美しく輝き、冬の間の色彩として存在感を放ちます。
■7月24日 ホルトノキ
落葉樹のように全体に色づくのではなく、当年の新葉が展開したのち、前年の葉が順次赤くなっていくのが特徴。ホルトノキは、年中一部の葉が赤く色づいています。温暖化とともに、東京都内にも植えられるようになりました。大木になると風格がでるので、記念樹にもふさわしい樹です。
■7月25日 セイヨウニンジンボク(西洋人参木)
花色は白色から淡紫色、濃紫色までと変化に富み、梅雨の終わりから咲き始めた花は、夏の終わりまで次から次へと咲き続けてくれます。原産地は中央アジアや地中海地方です。葉は掌状複葉で、幹はあまり太くならず、樹姿全体からもさわやかさが感じられます。
■7月26日 ボタンクサギ(牡丹臭木)
花は蕾のときに紅紫色で、前面開花すると淡紅色になります。手まり状の頭状花が部分的に開花していく途中に、色の濃淡の模様が見られる美しい花です。中国中南部原産で、暖地では越冬できますが、関東以北では地上部が枯れます。春になると地下茎から新芽が地上に勢いよく伸びだし、先端に花をつけます。
■7月27日 シャシャンボ
土がやせた尾根や乾いた林内など多く見られる常緑の小高木で、5〜7月にかけて、アセビに似た白い花をたくさん吊り下げます。また、光沢のある濃緑色の葉と、赤みを帯びた新葉との取り合わせも魅力です。枝葉が密集し、こんもりと茂った樹形となり、生垣や目隠しにも使えます。
■7月28日 ニワナナカマド(庭七竈)
白い5弁の花は5mmほどと小さいものの、穂状にたくさん咲いてくれます。株立状の幹から枝を多く出し、枝の先端にそれぞれ円錐花序をつけ、咲き始めは白い花弁が、次第に茶褐色に変化していきます。中国北部原産だけに寒さには強く、周りの広く空いた条件のよい場所では、高さと横幅が3m以上になります。
■7月29日 ノボタン(野牡丹)
夏から秋にかけて、自然界ではノボタンのような花色があまりないことも手伝って、暑さの中で一服の清涼感を与えてくれます。ノボタンの仲間で、形がよく似て花色の派手な、シコンノボタンがあります。鉢植えで園芸店で売られていますが、こちらは人目を引く色をしています。
■7月30日 ルリヤナギ(瑠璃柳)
6〜9月に節間の中途から花枝を出し、分枝して下向きに花をつけ、長く咲かせ続けます。名の通り瑠璃色の花冠の花で、盃状で5裂します。茎や葉は青白色を帯びます。高さは1〜2mになり、地下茎で繁殖。葉は互生につき、長さは10〜15cm。
■7月31日 ソテツ(蘇鉄)
葉柄の跡がうろこ状に残る太い幹と、その先端につく羽状複葉が特徴。大きな羽状複葉は2mにもなり、梅雨明けの後の厳しい日差しをものともせず、きらきら輝いて南国の雰囲気を醸し出します。雌花と雄花はそれぞれ別の株につきます。実は雌株につき、朱赤色。種子は固く、土産物などに加工されます。
■8月1日 クスノキ(楠)
クスノキは樟脳木とも呼ばれ、防虫剤の樟脳を採りました。また、材は建築材、舟材、楽器材、家具材など、広い用途があります。日本は照葉樹林文化圏の東端に位置し、クスノキはこの国の照葉樹の代表です。樹齢も長く、風格もあり、誕生樹や記念樹に適しています。
■8月2日 フヨウ(芙蓉)
美しい花は一日しか咲きませんが、花つきがよいので、夏から秋まで次から次へと咲き続けてくれます。寒い地方では地上部が枯れこみますが、春になると地際から勢いよく新しい茎が立ち上がり、よく分枝して花をつけます。
■8月3日 ハマゴウ(浜香)
春の匍匐茎から直立枝が出て、その枝先に青紫色の円錐花序がつきます。近づいてみると、そのすばらしさがよくわかります。海岸線を緑化する植物としては一級品で、今後は海岸に近いところだけでなく、庭やグラウンドカバーや屋上緑化、鉢植えなどでも見られそうです。
■8月4日 カイヅカイブキ(貝塚伊吹)
針葉樹の中では明るい緑色の葉が魅力で、一年を通して変化しません。もっとも特徴的なポイントは、火焔にたとえられる樹形。側枝が幹を巻くように旋回して伸び、独特の形になります。枝葉が密生するのを活かし、生垣によく利用されます。また、萌芽力が強いことから自由な形に仕立てられ、トピアリーにしても楽しめます。
■8月5日 ムクゲ(木槿)
ムクゲの花は、花の少ない夏から秋にかけて、長い期間咲き続けてくれます。数多くの品種が作られ、花の形も一重、八重、花笠咲きの種類があり、花色も基本種の紫系から純白、ピンクなど豊富です。夏の茶花としては、宗旦ムクゲと呼ばれる品種が人気です。原産地は中国ですが、韓国の国花になっています。
■8月6日 ハマボウ(浜朴)
海岸の近いところに自生していることから、耐潮性とともに風にも強く、防風垣になります。耐寒性はあまり強くありませんが、鉢植えでも立派に育ち、よく花を咲かせます。ハマボウの仲間に、オオハマボウがあります。秋篠宮佳子内親王殿下のお印で、沖縄地方で広く使われている別名「ゆうな」という呼び名でもよく知られています。
■8月7日 イチジク(無花果)
花は花托が肥大した壺形で、内側につきます。花がなく、果実があるように見えることから「無花果」の名がつきました。イチジクの葉や果実部分に傷をつけると乳液が出ます。この液はパパインというたんぱく質を分解する酵素が含まれ、果実は肉料理を食べた後のデザートにぴったりです。
■8月8日 クロチク(黒竹)
高さ4mほどのやや小形なタケです。黒紫色の幹と、柔らかで繊細な枝葉との取り合わせが、白壁などの和風建築や庭園によく似合います。1年目の幹ははじめ緑色ですが、後に黒色の斑点が現れ、2年目には紫黒色となり、文字通り「黒竹」となります。地下茎が走るので、広がっている場合は四方を囲って植えます。
■8月9日 カクレミノ(隠蓑)
暖地の海沿いに自生し、古くから聖なる木とする地方もあります。葉は光沢があり、主脈が3本あります。先の伸びた三角状となります。7〜8月、黄緑色であまり目立たない5弁の小花を、花柄の先にまとめて多数つけます。低木づくりで幹立ちとし、楚々とした風情のものは、茶庭や露地植えにします。日向でも日陰でも育ちます。
■8月10日 ポポー
果実の外観はアケビの実に似ていて、青みの少しかかった緑色から黄緑色。種子は少し大きめです。果皮が薄く日持ちが悪いため、果実は果物屋さんであまり見かけられません。5cmほどの暗紫色の花も魅力なので、ぜひ庭に植えて収穫し、美味しさを味わって下さい。アメリカ原産で、日本には明治時代中ごろに渡来しましたが、あまり普及はしていません。
■8月11日 タマアジサイ(玉紫陽花)
日本に自生する12種のアジサイのなかで、 もっとも野性味のある種類の一つで、都会のうだるような暑さをさけて山に入ると、水の滴る沢の岩陰に、半ば垂れ下がった姿で美しい花を見せてくれます。花つきはややまばらですが、淡紫色の涼しげな花と名前の元となった球形の蕾がまじった株の姿に風情を感じられます。
■8月12日 エンジュ(槐)
原産は中国北部。葉は丸い小葉を4〜7対ほどつける奇数羽状複葉で、美しい木漏れ日を作り出します。また、薬用植物としても知られ、蕾を乾燥させたものを槐花と呼び、止血薬などに用います。比較的手間のかからない樹木で、樹形も自然に丸くまとまります。
■8月13日 ナギ(梛)
分類学上は針葉樹ですが、葉の幅が広く、外見上は広葉樹です。その葉は革質で光沢があり、ちぎれにくいという特性があります。そのため、夫婦の縁が切れないようにと、女性は鏡台の引き出しにナギの葉を入れていたというような話もあります。社寺の境内ばかりでなく、庭木としても楽しめる樹木です。
■8月14日 カヤ(榧)
環境圧や日陰に強いことから、都心にも植えられる造園樹木でもあります。材としてもよく知られ、最高級の碁盤や将棋盤として珍重されます。建築や彫刻用材としても貴重な物ですが、現在ではあまり手に入りにくい材となっています。
■8月15日 ミヤギノハギ(宮城野萩)
ナツハギの別名もあり、ほかのハギよりも早く、8月ごろから咲き始めます。生長は旺盛で、高さは3m近くまで伸びます。幹は直立せず、弓上に下垂し、その先に総状花序をつけます。紅紫色の蝶形花はハギ類の中では大きく、花序が葉より長いので、より美しく見えます。
■8月16日 ランタナ
熱帯〜亜熱帯を代表する、低木性の花木。花は小花が多数集まった手毬形で、咲き始めは黄色で、その後オレンジ色に変化します。色の変化しない黄色や白、ピンクの花の品種もあり、最近では斑入葉のものも見られます。冬は室内に取り込めば、一年中花を見られます。
■8月17日 サルスベリ(百日紅)
花の最盛期は、夏の暑さにも少しは慣れてくるころで、景色の中にピンク、赤、紫などの花の色が美しく映えます。寺の境内をはじめ、住宅地の庭や街路樹にもよく植えられています。大気汚染が少しずつ改善されてきたため、花は以前より沢山咲くようになってきました。葉が落ちたあとの冬の幹まで楽しめる樹木です。
■8月18日 オリーブ
日本への渡来は古く、江戸時代に伝わっていました。街中で見かけられるようになったのは比較的最近のこと。超高層ビルの建設が始まってから特によく見られるようになり、イタリアンレストランやカフェテラスで、地中海風の景色を演出しています。また、個人の庭やベランダなどでも楽しめるのが魅力です。
■8月19日 イタリアサイプレス
イタリアやスペインの地中海沿岸地方の風景を構成する樹木です。原産地ではあまり生長は早くありませんが、日本では早く育ちます。風にはあまり強くないので、伸びすぎないように生長点をきりつつ育てると、見事な樹形になります。潮風には比較的強く、沖縄では生垣として利用されるのを見かけます。
■8月20日 シマトネリコ
花は5月ごろに咲き、白色の小花が密について樹冠を覆います。花後にトネリコ属特有の、小さく細長い実が鈴なりになり、特異な景観を演出します。若木のうちから樹形が整い、病害虫も少ないので、あまり手間もかかりません。
■8月21日 プラタナス
プラタナスの仲間は街路樹の主流としてよく知られ、剪定された樹形のイメージを思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、広々とした場所で自然に大きく育てると、見事な大木に育ちます。緑陰を楽しめる記念樹として、また、シンボルツリーやランドマークツリーとしても植えてみたくなる樹木です。
■8月22日 シマサルスベリ(島百日紅)
白い花は小さく、あまり目立ちませんが、幹肌の美しさは多くの樹木の中でもトップクラスです。この樹が見直されるきっかけになったのは、交配親としての評価の高さです。アメリカの国立樹木園が、毎年新しいサルスベリの品種を発表していますが、優れた品種を作り出すための親の一つが、シマサルスベリだったのです。自分好みのものを探して楽しんでみてください。
■8月23日 エノキ(榎)
落葉高木としてはケヤキと同様に樹齢が長く、巨大木になります。遠くからでも目につきやすく、夏に旅人が木陰で休憩するのにも適していたでしょう。エノキは耐潮性に優れ、海岸近くにも多く見られます。乾燥や夏の暑さに強いのも特長です。北海道には同じ仲間のエゾノキが自生しています。
■8月24日 ナツユキカズラ(夏雪葛)
中国原産のつる性木本。名前のように、夏に純白の小花が全面を覆うようにたくさんつき、降り積もった雪を思わせます。つるが伸びるにつれ、次々と花茎を立てるので、夏から秋遅くまで長く楽しめます。生長は早く、伸びすぎるような場合は、つるを切り戻します。日当たりのよいところで育ててあげて下さい。
■8月25日 ライム(来檬)
インド北東部原産の常緑子高木。花は白色の5弁花で、やや淡赤色を帯びます。熱帯地方では、この樹が悪魔を祓うと信じられているところもあり、大切に祀られているといいます。柑橘特有のビタミンが豊富で、実用的な庭木になります。レモンにくらべるとやや寒さに弱いので、植える場所には注意してください。
■8月26日 カシグルミ(菓子胡桃)
日本に自生するオニグルミは核が硬く、割るのに苦労します。しかし、中国原産の本種は手で割ることができ、テウチグルミの名もあります。国内での生産は長野県がもっとも多く、ほかに東北地方でも生産されます。庭に植えれば、秋の収穫が楽しみになる樹木です。
■8月27日 ニッケイ(肉桂)
中国南部の原産で、古くに渡来しました。沖縄では野生化しています。常緑高木で、関東以南では屋敷などにもよく植えられています。葉は大きく、光沢があり、日本原産のヤブニッケイより葉先が細長くなります。香辛料になるのは樹皮や根皮。健胃材、発汗剤として薬用にもなり、リキュールなどを作っても楽しめます。
■8月28日 ナツハゼ(夏櫨)
紅葉と同時に黒く熟す実も魅力です。5mmほどの球形で、数個連なってつき、甘酸っぱく食べられます。尾根筋や岩の多い乾燥気味のアカマツ林の林床や林緑に多く自生します。株立ちになりやすく、野性味豊かで、自然風庭園や和風庭園によく似合います。
■8月29日 シュロ(棕櫚)
長い葉柄の先に、裂片を掌状半円形に放射した葉を持ちます。シュロは葉柄も葉も長いため、葉の半分くらいから先が折れて垂れ下がります。シュロは各地に自生し、トウジュロは西洋庭園などに植えられ、異国情緒を演出しています。シュロの幹を覆う繊維は、シュロ縄として活用されます。
■8月30日 アロウカリア アロウカーナ
幹から輪生状に出る枝が作り出す独特の樹形は、下枝が順次落ちて成木では傘形となります。南太平洋を取り巻く大陸や島々に自生する熱帯、亜熱帯性の針葉樹です。剪定すると樹形が損なわれるので、広い場所でのびのび育てて下さい。
■8月31日 テンダイウヤク(天台烏薬)
中国中南部原産で、日本へは江戸時代に渡来してきました。樹高は3〜4mになり、若い枝は緑色で軟毛があります。葉は互生し、長さ4〜6cmの楕円形で、先端は細く、基部から出る3本の葉脈がよく目立ちます。根は紡錘状に肥大し、薬用として利用されます。